【リハビリを今したほうが良い理由】今動けているから大丈夫と思っていませんか?

入院中のリハビリを終えると、ようやく日常生活に戻れる安心感がある一方で、退院後の時間こそが本当のリハビリの勝負どころです。発症直後のような劇的な回復は感じにくくなりますが、正しいリハビリを継続するかどうかで、数年後の身体の状態が大きく変わります

医療保険での外来リハビリが終了すると、リハビリの機会が減ってしまう方も少なくありません。そのまま生活を続けるうちに、「気づかないうちに体が硬くなった」「歩き方が変わってきた」「腰や膝に痛みが出てきた」――こうした声は非常に多く聞かれます。

若さでカバーすることができる

30~50代はまだ体力があるため麻痺の不自由を補えますが、その「貯金」は加齢とともに減っていきます。筋肉の量や筋力は30代から徐々に低下し始め、年齢とともに今のような無理は利かなくなります。また、過度な代償動作は関節や筋への負担となり、痛みや姿勢の崩れを引き起こす場合があります。

例:膝痛

麻痺側への荷重が十分に行えず、非麻痺側に過剰な荷重がかかる状態が続くと、非麻痺側の関節や筋への負担が増大します。
こうしたアンバランスな荷重動作は、変形性膝関節症などの二次的な整形外科的疾患を引き起こす要因となる可能性があります。

リハビリを先伸ばしにするリスク

1.筋力低下:麻痺側の筋肉は使わなければ急速に委縮してしまいます。筋肉は付けるのに時間がかかりますが、落ちるのは早いです。また、麻痺側を使わないと学習性不使用という現象が起こり、さらなる悪化を招く可能性があります。

2.痛み:過剰な代償動作や不良姿勢は痛みを伴うリスクが大幅に増えます。痛みは麻痺側だけではなく、非麻痺側にもみられるケースがとても多いので注意です。

3.関節の拘縮や骨の変形:過剰な負担や不良姿勢は関節の拘縮や骨の変形につながります。筋肉と違い、拘縮や変形はリハビリでは直すことができないので、予防がとても重要になります。

リハビリは自分への投資

リハビリはで“将来の生活への投資”になります。
若いうちにしっかりと体を整えることで、仕事の継続、家庭での役割、趣味の再開など、人生の選択肢を広げることができます。「今は動けているから大丈夫」と思えるその時こそ、体のバランスを見直す絶好のタイミングです。数年後に痛みや変形で後悔しないために――退院後、できるだけ早い段階でリハビリを再開することをおすすめします。

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