脳卒中(脳血管疾患)は重症度が高い病気 このように脳卒中(脳血管疾患)は介護が必要になる原因のTOP3に入るほど、重症度が高くなりやすい病気です。脳卒中の症状には麻痺や感覚障害、高次脳機能障害などがあげられ、早期からのリハビリが必要となります。発症直後は急性期病院で治療を受け、リハビリの継続が必要な方は回復病院へと転院します。現在の医療保険制度は脳血管疾患の入院日数は最大150日(高次機能障害で180日)と定められており、それ以降のリハビリは介護保険へと移行していきます。 医療保険と介護保険のリハビリの違いについてはこちらから 介護保険のリハビリ 介護保険のリハビリは通所リハビリと訪問リハビリに大きく分かれます。 通所リハビリ→特定の施設で行う、居宅要介護者に対する、心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるためのリハビリ 訪問リハビリ→居宅要介護者について、その者の居宅において、その心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるために行われるリハビリ 厚生労働省資料より引用 通所も訪問でも居宅要介護者に対して心身機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けることが介護保険内におけるリハビリです。 生活期のリハビリで大事なこと 脳卒中の生活期におけるリハビリは質の高い練習・練習量・課題特異的な練習が重要と言われています。この3つの要素が含まれて麻痺の改善へと導くことができます。 課題特異的な練習についてわかりやすく説明 例:コップを持てるようになりたい コップを持つという動作の過程には 1.コップを認識する 2.コップまで手を伸ばす 3.コップを掴む という大きく3つの要素に分けることができます。 つまり、リハビリではコップを持てるようになるために、上記1~3の動作に細分化して練習する必要があります。 介護保険リハビリと脳卒中リハビリの相性 結論から言うと介護保険下のリハビリと脳卒中リハビリの相性は決して良いとは言えません。 まずリハビリの質についてです。介護保険下のセラピストが必ずしも脳卒中リハビリに精通しているとは限らないからです。 整形外科や内科疾患に精通しているセラピストが担当になる可能性があったり、新人スタッフが担当になる可能性などがあります。 その点、自費リハビリのスタッフは脳卒中リハビリに精通しているので質は担保されます。 次に練習量についてです。前項で述べた通り、介護保険を使用してできるリハビリには時間の制限があります。 しかし、麻痺の改善には練習量が必要なので短時間のリハビリのみでは量が足りないのです。 その点、自費リハビリでは時間の制限がないので練習量を担保することが可能です。自費リハビリの時間を増やすとコストが多くなってしまうというデメリットがあるので、介護保険下のリハビリと自費リハビリを併用することをおすすめします。 最後に課題特異性についてです。通所のリハビリなどで機械トレーニングをしているケースは少なくありません。 機械トレーニングをすれば筋肉が付く!というイメージがあるかもしれませんが、麻痺の改善とは少し相性が悪い場合が多いです。 課題特異的な練習というのは1対1の個別トレーニングで真価を発揮しやすいもので、機械を使った筋力トレーニングでは単調な訓練になるばかりか、麻痺を悪化させてしまう場合もあるのです。